2008年10月9日木曜日

気候変動会議の中南米報告

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気候変動会議,南米諸国は問題は少ないが影響は大きい

スペインのバルセロナで開かれている気候変動会議 Climate Change World Conservation Congress で,Pamela Cox, the World Bank’s Vice President for Latin America and the Caribbean,女史が報告した,中南米に於ける気候変動問題の要約である。世界全体に比べて,温暖化に対する問題は少ないが,地球全体から受ける影響は非常に大きい,との趣旨で,中南米諸国の対応を説明している。

ラテンアメリカとカリブ海沿岸諸国を地域として扱っているが,数字を中心に要約する。地域の温暖化ガス排出量は世界全体の6%で,年大輪喪失を入れても10%で小さいが,特に貧困層などへの温暖化による影響は大きい。

]地域諸国の中で,Brazil, Colombia, Ecuador, Mexico and Peru の5つの国は,特に世界の10指に入る生物多様性の国で,特にアンデス山脈の東側である。ラテンアメリカの熱帯林は,世界の50%で,生物量,バイオマスに直すと65%に達する。

地域の主要な気候変動要素は次の通り。アンデスの氷河融解で10~20年後には全部なくなるだろう。Bolivia, Ecuador, Peru での河川流量への影響は大い。アマゾンの熱帯林は,2~3度の温度上昇で,20~80%失われ,砂漠化の影響は北米まで達するかも知れない。その他,マラリアやデング熱
の疾病の問題や,珊瑚礁の白色化による魚類や観光への影響が出るだろう。

ラテンアメリカは,水力のポテンシャルが大きく,石炭火力への依存が少ない。2004年に於ける世界の発電量の中で,地域の占める割合は6%であるが,温暖化ガス排出では3%である。地域のエネルギーの11%が水力で賄われているが,世界の発展途上国の平均は3%である。地域の包蔵水力は687,000MWで,その26%が2015年までに開発される。

交通運輸の面でも,世界平均に比べ,ガス排出は少ない。注目すべきは,サトウキビによるバイオ燃料,エタノールの生産の可能性で,ガソリンの90%まで大体可能であろう。丘の斜面で育つので,土地利用や食物への影響は,限られている。

温暖化適応プロジェクトでは,世界銀行が承認した二つの Climate Investment Funds (CIFs) と US, Japan, UK, Germany, France and other European countries の貢献で,60億ドルの予算がプレッジされている。

Reference

●081009G South America, web.worldbank.org
気候変動会議,南米諸国は問題はない,局部的な問題のみ
Climate Change World Conservation Congress “Latin America is not the problem but part of the solution,” VP Pamela Cox http://web.worldbank.org/WBSITE/EXTERNAL/NEWS/0,,contentMDK:21932327~pagePK:34370~piPK:34424~theSitePK:4607,00.html

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